谷間の白ゆり オルコット原作 三木澄子訳 偕成社 2024

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★1978年重版の大変古い本です。★三方に経年のヤケがございます。★裏表紙開きに黒色マジックで記名がございます。★43年の経年と、元々の紙質に比しては、記名、ヤケ、カバーのスレ以外に大きな汚れ、シミ等ほぼ無く、良好な状態と存じます。 「谷間の白ゆり」??絶対バルザックの方を考えてしまいますよね!青二歳の若者が、貴婦人(というからには既婚者)に惚れまくってラブレターをしつこく贈るお話。 夫人は母性的愛情しか返さず、でも青年をバックアップしてやって、死ぬ間際に本当は自分も旦那さんより青年が好きだった、などと言う、旦那さんがきっと「冗談じゃないよ」と嘆いたであろうというお話。この話のどこが美しいのか? 言葉としての「谷間の白ゆり」は美しいのですが。こちらは、「昔気質の一少女」の上下を一冊にまとめたもので、少女時代と、若いレディーのポリーに、一冊で出会える嬉しい本です。 表紙のポリー像にご注目下さい。明るい瞳に、お茶目な上がった口角、聡明な額。少女時代のポリーの姿は、正にこんな感じでは?可愛い! オルコットの作品自体が、随分昔のものなのに、「昔気質」が廃れていると嘆くお婆さまが出て来ます。ジェネレーションギャップは延々と続いていくものですね。紀元前のギリシャの何かの石に、「近頃の若者は、、!」と怒りの言葉が綴られていたというぐらいですから。 人間の出来たポリーのお相手には、やはりトムが合っているのだな、と納得しつつもアーサー•シドニー氏の方が個人的には推しだけどなあ、と思ったり。 お金持ちのショー家が破産した時、お嬢様であったファニーが意外としっかり現実を受け止めて、前向きになるところが好きです。古い洋服をリメイクするシーン、こちらは、児童向きのダイジェストなので、端折ってあるのが残念でしたが。 ポリーファンであれば、三木氏の訳も、吉田勝江氏の訳と比較して楽しんで頂けると存じます。ファニーとトムの喧嘩で、「トムの横っ面を、力まかせに殴りつけました。」いやいや、力強い訳です!少年小説で、ヒーローが悪漢をやっつけているようで、思わず笑いました。  長期個人保管の大変古い本です。状態は、上記★書きと、画像よりご判断ください。 古い本にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。

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